じっくり語り語られてみようPart2. 第1週参加エントリVol13. えびPさん

じっくり語り語られてみよう http://jikkuri.blog19.fc2.com/ 参加エントリです。
作品に対するネガティブな表記を含む可能性がありますが,イベントの趣旨に乗った上での記述とご理解ください.
この作品の語り記事一覧 → No.13: 【アイドルマスター】 ”咎 〜イバラヒメノ ツミ〜” PV 【伊織ソロ】 http://jikkuri.blog19.fc2.com/blog-entry-34.html


アイドルマスター】 ”咎 〜イバラヒメノ ツミ〜” PV 【伊織ソロ】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1971361

この作品の「語り」では、技術的なものより、作品の印象を語らせて頂きます。(作者によるお題から)

作品制作動機の推測と、作品のイメージとか


伊織、というアイドルは、コミュを重ねる度に、単なるツンデレキャラではなくなります。
もちろん彼女も、創作世界の中で人生を重ねている訳で、アイドルマスターというゲームのコミュシーンの完成度、特にバックストーリーを想像/創造させる領域のバランスに、改めて唸らされざるを得ません。
だからこそ、各アイドルは、ニコマスという世界で分解と再構築を繰り返す事ができる。


伊織のPVには、ツンデレという一面を拡大してネタ化していく作風とは別に、この作品のような作風の名作が数多く存在しています。
時に寂しさだったり、大人になりたいという願望を拡大したり、また無理に大人を演じるかのようなもの。
少女の不安定な精神性。太陽のように明るい時もあれば、闇に溶け込むような時もある。そんな内容を唄う曲が多く存在しています。
特にルナティックな部分を唄う曲をニコマス作品で使う場合、伊織が選ばれるという印象があります。(オールラウンダー春香さんは除く)
それらの作品は、伊織は半ば本気で”演じて”いるようにみえる。そんな印象を含め、こういう視点に切りこんだ作品が好きです。


ニコマス作品を作る原動力として、ダンスを魅せたい、アイドルを魅せたい、曲との融合を魅せたい、様々なきっかけがあると思います。
私がこの作品を見た時、えびPさんがこの作品を作らせた原動力は「伊織を魅せたい」+「曲の世界観を再現してみたい」かなと感じました。
この世界が似合っている伊織に、これだけの舞台を用意し、作品を完成させることが出来たえびPさん。さすがだと思います。

作品の見た目と、世界観とか


この作品の中で、えびPさんは闇に溶ける伊織を、ダンス素材に加えて、表情や背景となっている創作世界を素材とし、カメラワークとエフェクトの多用によって描いています。
そして、伊織は0:24や0:30で衣装が何度も変わります。少女らしい衣装と、ちょっと悪い人的なイメージのある衣装。そして最後まで少女らしい服は出ず、ダンスシーンは後者で描かれます。
この曲の中の伊織は、決して表に出ない伊織。
自分の精神が作りだした、すこし怖い夢の中で、伊織は自分を解放して遊んでいるのかも。そんなことを思いました。


最後に、蛇足を、1点だけ。
歌詞が赤文字であること。これは私は賛成派です。この曲のメインが語り的な言葉である以上、作品のイメージ色と合わせるよりも、際立たせる方が見栄えすると感じました。